【膝の痛みとストレス】どう向き合う?⇒実例を紹介します

突然ですが、膝の痛みストレスが関係していることをご存知ですか?

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日々患者さんと向き合う中で、ストレスによって膝の痛みが増悪していそうな方は大勢いらっしゃいます。

中には「ストレスだと思うよ」と先生から診断を受けている方もいます。

不思議に思う方もいらっしゃるかもしれませんが、”心からくる痛み”というものは確かに存在します。

そこでここでは、

  • 一般的に言われているストレスと膝の痛みの関係
  • 理学療法士の視点から見たストレスと膝の痛みの関係

この2つについてまとめてみました。

ストレスで痛みが悪化することがわかっている

痛みには以下のような分類があります。

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引用元:図解入門よくわかる痛み・鎮痛の基本と仕組みP.75 発行所:株式会社秀和システム 著者:伊藤和憲

  • 神経障害性疼痛:脳や脊髄由来の痛みで”いわゆる神経痛”というもの
  • 侵害受容性疼痛:怪我や骨折による一般的な痛み
  • 心因性疼痛:ストレスなど心理的な痛み

このように、ストレスによる痛みもあるということがわかっているんですね。

少し踏み込んでみましょう。

※ストレスを受けると、体はどうなるのでしょうか?

自律神経のバランスが乱れて血管が縮む

自律神経には体を休める神経である副交感神経と、体を活動させる神経の交感神経があります。
ストレスを感じたときに活動するのは、このうち交感神経です。

交感神経には血管を縮める作用あがり、疲労物質・発痛物質などの処理ができずに痛みを感じることがあります。

また交感神経には筋肉の緊張を高める作用があるため、こわばった筋肉が血管を圧迫しすることでますます循環は滞ります。

ちょっと複雑ですね・・・このような感じです↓↓↓

ストレス → 不安・怒り → 交感神経活動 → 筋肉がこわばる → 痛み増強

痛みが増すとまたストレスが増え、不安・怒りへ・・・というように、悪循環に陥ることもあります。

血流が滞ると、疲労物質や発痛物質が溜まりやすくなって、おもだるい痛みを感じるようになります。
 

脳内の鎮痛作用のある物質の分泌低下

人は痛みを感じると、脳内にドーパミンという物質が分泌されます。

そしてドーパミンはμオピオイドという物質の分泌を促し、μオピオイドはセロトニン・ノルアドレナリンの分泌を促して痛みの経路を遮断するという作用を持っています。

痛み → ドーパミン → μオピオイド → セロトニン → 痛みを脳に伝える信号遮断

しかし、ストレスを感じていたりうつ傾向の方は、ドーパミン自体の量が少ないため、痛みを感じやすくなるということがわかっています

↓↓↓これは腰痛の話ですが、”慢性痛”といことで膝の痛みにも当てはまります。

慢性腰痛は、腰の痛みを和らげる仕組みと関係があります。腰から痛みの信号が脳に伝わると、脳からドパミンという神経伝達物質が放出されます。すると、脳内でμオピオイドという物質が多量に放出されます。その結果、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが放出され、痛みの信号を脳に伝える経路が遮断されます。この仕組みによって、腰痛などの痛みが気にならなくなったり、我慢できたりするようになります。しかし、ストレス、うつ、不安などを長期間感じていると、脳でドパミンが放出されにくくなって、腰痛が長引いたり、わずかな痛みでも強く感じたりするようになります。

引用:nhk健康チャンネル


ストレスによる痛みには、自律神経によるものと、脳内物質の影響が関係していることが判明しているんですね。

加えて少しスピリチュアルな話になってしまいますが、もう1つストレスによる痛みの影響をまとめておきます。

ストレスによる痛み:心の影響

人はストレスを受けると、自分の殻に閉じこもります。

友人から励まされても、素直に喜べない経験は皆さんにもあるかと思います。

そしてその時の姿勢は、何かにおびえるように丸くなっていつとが多いはずです。

落ち込んでいるのに”ピシッ”と姿勢が良い人はいませんよね?

落ち込んでいるとき心がとても敏感な状態。

ささいな刺激にも過剰に反応してしまうことも少なくありません。

※例えば・・・

お化け屋敷に入ると、体を丸めて周りからの刺激に警戒しますよね?
おびえているところにお化け役の方が急に登場すると、ものすごく驚きます。

この場合は、痛みなどの刺激も敏感に察知してしまい、気になってしょうがなくなるということもあります。

「今まで大丈夫だったのに、急に痛くなった」

「昨日より痛い気がするけど大丈夫かな・・・」

というように不安が強まると、痛みとストレスのループが加速していきます。

痛みをあまり気にしないでください

そんな無責任なことは言えませんが、”気の持ちようで痛みが左右されることがある”ということだけでも覚えておくと、いざという時に少し気が楽になるかもしれませんよ。


すこし長くなりましたが、以上が一般的に言われているストレスと痛みの関係です。

次は、対処法についてまとめさせていただきました。

一般的なストレスによる痛みへの対処法について

ストレスへの対応について、一般的に言われていることをまとめておきます。

運動習慣をつける

先ほど、”ストレスは筋肉を緊張させてしまう”と書かせていただきました。

運動をして筋肉をしっかり使ってあげると、嫌でも筋肉は固くなったり緩んだりを繰り返し、そして平常の状態に戻っていきます。

また運動により脳内に分泌さえるセロトニンには、気分を落ち着かせてくれる作用が期待できるので、ストレス解消につながります。

気分転換をする

気分転換をすることで、ストレスでを忘れる時間ができます。

また鎮痛に関わるドーパミンの生産を促すには、

  • 達成感を得ること
  • 何かに夢中になること
  • 人に褒められること

この3つのことが大切といわれています。

→膝が痛くなくなったら○○をしたい!

→○○をしているときは痛みを忘れられる

等の目標を立てたり、趣味に取り組むのもオススメですよ。


ここまでは、あくまで一般的なストレスと痛みの関係をまとめてきました。

ここからは、私が理学療法士として患者さんと接する中で感じた”ストレスと膝の痛みの関係”についてまとめていきます。

理学療法士の観点からみたストレスと膝の痛みの関係

ここからは現場の視点から、ストレスと痛みについて考えていきます。

あくまで私の体験なので、皆さんに当てはまるかはわかりませんが、気になる方はチェックしてみてください。

不安やストレスを感じているときの姿勢はどうなってる?

私達は仕事柄、患者さんの姿勢をよく見ます。

そして姿勢と心には大きな関係があることを知っています。

”心と姿勢は、お互いに強く影響しあっている”

まずはそのことを少しだけ説明させてください。

  • 自信に満ち溢れていれば、胸を張ります
  • 興味があるときは、身を乗り出して目を輝かせます
  • ストレスを感じて落ち込んでいれば、背中を丸くします

これは、心の状態が姿勢に現れるということを示していますよね?

またその逆もあり、姿勢が心に影響を与えるということも最近では言われています。

※このような研究結果があります。

「自信」の姿勢では、力強く、支配的で、自信のある気分の特徴がみられ、「落胆」の姿勢では、抑圧され、静的で、弱々しく、服従的で、自信のない気分となった。「注意」の姿勢では、関心を示すということのみが顕著にあらわれ、「拒絶」の姿勢では、親しみにくく、はりつめていて、拒否的な気分が示された。

引用元:身体心理学 姿勢・表情などからの心へのパラダイム第2刷P.115 発行所;(有)川島書店 編者:編者 春木豊

この研究では、”姿勢によって気分が変わる”ということが示されています。

また、姿勢によって同じ音楽の感じ方に違いがあるのかを実験した研究では・・・

暗い音楽の場合は、うつむき姿勢は正面向きの姿勢に比べ、消極的で、愁いを帯び、暗い感じを示し、またあおむけ姿勢に比べても不快感を生じさせた。あおむけの姿勢は、正面向き姿勢とくらべると、より開放されて、ゆっくりした感じを示した。

引用元:身体心理学 姿勢・表情などからの心へのパラダイム第2刷P.117 発行所:(有)川島書店  編者:編者 春木豊

”姿勢によって音楽から受ける印象も変わる”ということが示されています。

繰り返しますが、”姿勢によっても気持ちが変わる”ということなんですね。

ということは・・・姿勢からもストレスにアプローチができる?

膝の痛みの原因はストレス

そう言われてしまうと、ストレス自体を何とかしなければ、根本的な解決は難しいように思ってしまいます。

しかし、姿勢を変えることで心を変えることができるのであれば、介入する余地があります

もしかしたら、ストレスに悩む方の姿勢を整えてあげるだけで、少し気分が違ってくるかもしれません。

それに背中が丸い猫背の姿勢は、膝に体重がのしかかるような状態なので、膝への負担も増してしまいます。

姿勢を良くしてあげることは、物理的な膝への負担を減らすことにも関係しているんです。

※対処法を確認していきましょう。

ストレスによる膝の痛みへの対処法:姿勢編

ストレスを感じている方は、”自分の殻に閉じこもった状態”です。

『姿勢を良くすればいい!』とはいっても、いきなり体を動かすのが精神的につらい方もきっといらっしゃると思います。

その点も配慮して、試してほしいことがあります。

みぞおちを緩める

人は何かから身を守ろうとするとき、体を丸くします。

そして全身の筋肉はお腹の中心、みぞおちに向かって縮んでいきます。

まずはみぞおちを緩めてあげましょう」というのが、第一歩です。

気分が良い時でいいので、以下の事を試してみてください。

①あおむけに寝て膝を立てる

②みぞおちに手を置いて、手の温かみを感じる

③その手で軽くお腹をマッサージする

この際の注意点やコツをまとめておきます。

目を閉じて力を抜き、自分がどんな姿勢なのかを感じましょう。
ストレスを感じるといっぱいいっぱいになり、自分の姿勢や力みに気付かなくなります。
まずは自分の身体を感じましょう。
深呼吸をします。
深い呼吸はリラックス効果があります。
落ち着いてゆっくり呼吸しましょう。
※息を吐くことを意識してください。

首に力が入りやすいので注意です。
知らず知らずのうちに頭が床を押していませんか?
とにかく脱力です。

みぞおちが緩まれば、姿勢も伸びやすくなります。

姿勢が良くなれば、気分も少しは前向きになるはずですよ(^^)

実際の患者さんにも、同じことを行うことがよくあります。最初は無理せず、体の中心から温めてみてください。

少し気持ちに余裕があれば・・・

少し体を動かす余裕がある場合は、痛みと相談しながらウォーキングなどの運動を始めてみるのも良いですね。

ストレスによる筋肉のこわばり解消にもつながりますし、”運動中は交感神経が高まり、その後の休息中は副交感神経が働く”というように、ずっと興奮していた自律神経にメリハリを与えて、体の調子を整えることにもつながります。

また鎮痛作用のあるセロトニンは”別名:リズム生成ホルモン”とも言われ、規則的な運動を行った際に分泌されるといわれています。

ウォーキングのような繰り返す動きは、ストレスにはもってこいの運動なんですね(^^)

最初は気負わず、ゆっくり始めてみてください。

イライラしたときに、貧乏ゆすりをする方がいますよね?
あれも規則的な運動なので、セロトニンの分泌を促すことにつながります。


セロトニンには落ち着きを取り戻す作用もあるので、貧乏ゆすりをすることで平常心を保っているのかもしれませんね(^^;

少しイメージが付きやすいように、最後に私と患者さんのとのやり取りの一例を紹介させていただきます。

ストレスと膝の痛みの関係:私と患者さんのやり取り

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膝が痛い女性の患者さんを担当させていただいたことがあります。
その方は少しだけうつ傾向があり、いつも不安・ストレスと戦っている様子でした。

筋トレや体操をしてみましょうか?と提案しても、「私にできるかしら・・・」といつも弱気な発言を繰り返されます。

今思えば、私も少し強引だったのかもしれません。

病院のリハビリ室は2階だったので、あるとき窓際で遠くを見てリハビリをしていた時のことです。
患者さんの姿勢がとても良く、表情も少し穏やかに見えたことがりました。

そこで私はこう伝えてみました。

○○さん。今姿勢がとっても良いですよ。

姿勢の崩れは膝にも負担になります。

もし下を向く姿勢が多いのであれば、ほんの少しでも窓辺で遠くを見る時間を作ってみてはいかがでしょう?

きっと気持ちも少し楽になると思いますよ。

まずはそこから始めてみませんか?

すると患者さんは泣き出してしまったんです。

そして落ち着くと、こういってくれました。

そうだね、できることからやらないとね

この方が私に言ってくれた、初めての前向きな言葉でした。

その後、お腹を温めるというケア方法だけを紹介させていただきその日は終了。

リハビリを重ねるたびにその患者さんはどんどん明るくなっていき、膝の痛みも不思議と良くなっていったんです。

見てわかる変化は”姿勢が良くなった”その1点だけ。

心が変われば姿勢も変わります。

姿勢が変われば心も変わります。

心と姿勢に負のループがあるのなら、”正のループ”もきっとあるはずですよね(^^)

ストレスは交感神経を高ぶらせます。

そして涙は副交感神経の作用です。

”涙が出た”ということは、心が少し落ち着いたとも言えるのではないでしょうか。


私はこのようなケースを何度か経験しています。

遠くを見ると不思議と涙される患者さんが多いんです。

そしてそのあとに聞かれるのは、不思議と前向きな発言だったりするんです。

息をつく暇もなく、自分のことは二の次で働き続けてきたのかもしれません。

ふと自分の気持ちに素直になった時、きっと溢れるものがあるんだと思います。

まとめ:ストレスが原因で膝の痛みを感じている方へ

ストレスがあるときは、心の動きが鈍くなっています。

なので、身体を動かすことがとてもつらいはずです。

気持ちが追い付かないうちは、無理して運動をする必要はないと私は思います。

  • ほんの少し姿勢を気にしてみる
  • 気分が良い日は少しだけ運動してみる

そんな些細な習慣の繰り返しが、ストレスによる痛みのケアの本質的な部分ではないでしょうか?

「たくさん笑うと、痛みを抑えてくれるセロトニンが分泌されやすい」なんてこともいわれています。

少しずつでいいので、笑顔を取り戻していってくださいね(^^)

長文になりましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。

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