バスケと膝の痛み┃リスクを極限まで減らす体の使い方とは

  • バスケで膝を痛めてしまった
  • 膝の痛みで満足にバスケができない

そんな悩みを持つ方は、多いかと思います。

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バスケというスポーツの特徴上、膝を怪我してしまうリスクはつきものですが、体の使い方次第で、そのリスクをグッと減らすことができます。

そこでここでは、以下の2点についてまとめてみました。

  • バスケに多い膝の怪我には、どのようなものがあるのか
  • 膝を痛めない為にできることを、実際の患者さんの経過と共に紹介
膝への負担が少ない動き方を身につけて、膝痛を予防しましょう。

バスケによる膝の痛み:関節では何が起きているの?

まずは、バスケで膝を痛めてしまった際、関節に何が起きているのかを把握しておきましょう。

膝関節は靭帯・半月板・筋肉で守られている

膝関節は、積み木のように骨が重なっているだけの不安定な関節です。

IMG 4306 e1527749896619 300x400 - バスケと膝の痛み┃リスクを極限まで減らす体の使い方とは引用元:ネッター解剖学アトラス(原著第3版)P.472 株式会社南光堂 著者:Frank H.Netter

周りにはいくつもの靭帯があり、関節がズレないように各方向への動きを制限してくれています。

そして関節の中にはクッション材としての半月板があり、一番外側は大きな筋肉で覆われています。

このように、靭帯・半月板・筋肉など協力して、膝の不安定さを補っているんです。

まずは、靭帯損傷・半月板損傷について、詳しく見ていきましょう。

靭帯損傷・半月板損傷

  • 無理なひねり
  • 横方向の動き
  • 関節をズラそうとする動き

これらを止めているのは主に靭帯です。

この靭帯の許容範囲を超えて関節が大きく動かされると、”靭帯損傷・断裂”という怪我をしてしまうことになります。

またジャンプなどの強い衝撃を繰り返して入れば、関節の中でクッション材の役割を果たしている半月板にもストレスが加わります。

バスケによる膝の怪我で多いものは、以下の3つ。

  • 前十字靭帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)
  • 内側側副靭帯損傷(ないそくそくふくじんたいそんしょう)
  • 内側半月板損傷(ないそくはんげつばんそんしょう)

それぞれの役割と、損傷した場合の問題点をまとめておきます。

【前十字靭帯損傷(膝のずれ予防)】

大腿骨(だいたいこつ)に対して、脛骨(けいこつ)が前に出る動きを制限しています。
(下側の骨が前に出ないように止めてくれている)

断裂した場合、痛みと共に膝関節の不安定性を覚えます。
スポーツ動作には重要な靭帯なので、重症であれば”再建術”という手術で、断裂した靭帯を修復する治療法が行われます。

【内側側副靭帯損傷(スムーズな屈伸運動の為に大切)】

膝関節の横方向への動きを制限しています。

損傷した場合、膝の内側に強い痛みを感じるとともに、外側方向への動揺性が出現します。

【内側半月板】

関節の中でクッション材の役割をしています。
またセンサーとしての働きもあるため、関節のズレなどを感知して、周りの筋肉へ情報を送る役割も担っています。

損傷した場合、”関節が今どんな位置にあるのか”などを感じることが鈍くなる他、ロッキングと言って急に関節が動かなくなったり、ギビングウェイといって突然膝崩れに襲われることがあります。
半月板損傷の場合も、ひどいケースでは手術が行われます。

これらは怪我は別々でも起こりますが、ひどい場合は3つを同時に損傷してしまうこともあり、それを”アンハッピートライアド(不幸の3兆候)”と呼んでいます。

ジャンプ中にバランスを崩して、膝が内側に曲がるように着地した場合などに、同時に損傷してしまうことが多いです。

※接触プレーで、相手が膝に乗った場合なども危険です。

このようにバスケは、

  • リバウンドの時など、バランスを崩しながら着地
  • とっさの方向転換
  • 相手選手との接触プレー
  • 無理な姿勢からのパス・キャッチ・シュート

予測しにくく、また不意な動きが多い分、膝への負担も大きくなります。

ジャンパー膝の可能性も

膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)、通称:ジャンパー膝と言われるものもバスケには多い膝の痛みです。

これは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という太ももの前の筋肉を酷使することが原因で、この筋肉が緊張すると、お皿を強く引っ張るようになります。

その為、お皿やその上下に炎症が起き、痛みを感じます。

ジャンパー膝になりやすい方の特徴として、”上半身が起きたままプレーしている”ということがあります。

少し比べて欲しいのですが・・・

上半身を後ろに反った状態でスクワットをやるのと、前傾した状態でのスクワットを比較すると、反った状態の場合、太ももがパンパンになるのを感じると思います。

上半身が起きたままのプレーは、大腿四頭筋への負担も大きくなり、ジャンパー膝になりやすいということです。

バスケで相手をマークするときなどは、前傾姿勢が基本。

膝の真上にみぞおちが来る”くらいの前傾が、一番膝への負担も少く理想の形です。

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そして、ジャンプしてもこの姿勢に戻るように着地ができると、膝への負担も少なくなります。

※ジャンパー膝については、こちらで詳しくまとめています。

【膝の痛み】ジャンプと着地がつらい⇒意外すぎる2つの原因とは

オスグッド病かも?

お皿の下にある骨の出っ張りが痛む場合、オスグッド病が疑えます。

ここには大腿四頭筋がついていて、成長期にはこの部分はまだ軟骨の状態。大腿四頭筋の緊張が高まると、軟骨を引っ張って剥がしてしまうことがあるんです。

成長期は筋肉より骨の成長の方が早いため、筋肉が伸ばされて緊張しやすいというのも理由の1つです。

また上で説明させていただいたように、猫背姿勢の方は大腿四頭筋をよく使う傾向にあるので、オスグッドになる可能性も高いといえます。


以上、ここまではバスケで膝を痛めた場合、どんな状態が予測できるのかについてまとめてみました。

膝を痛めてしまう原因として、姿勢など体の使い方に関することが多いのですが、競技中にいろいろと考えていては、試合どころではありません。

なので大事なのは・・・

体が自然に膝への負担とならないように動いてくれること

です。

最後に、その為に大切なことをまとめておきます。

膝痛の原因と対策をイメージしやすいように、実際にリハビリにこられた方の経過を説明させていただきながら、まとめてみました。

バスケで膝を痛めてしまった患者様の例を紹介

実例をもとに、バスケによる膝痛への対処法を確認していきましょう。

まずは患者さんの状態を確認

患者さんは中学生の女の子でした。
待合での姿勢をふと見ると、うつむいて背中を丸め、スマートフォンをずっと見ています

「もしかして背中が丸く固まっているかも?」
そんな予測を立てることができました。

いざ体をチェックしてみると、やはり背中は丸くなり、体幹と言われる胴体部分もかなり頼りない状態。

体幹のいわゆる”コアマッスル”がしっかり働いていると、自然と骨盤を立てていい姿勢をとることができるはずなのですが、この方の体幹は非常に弱く、姿勢はいつもグニャっとつぶれてしまいます。

試しにスクワットをしていただくと、思った通りこんな感じです↓↓↓

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体幹をまっすぐ保てずに骨盤が後ろに傾いて、上半身が膝より後ろに残ったままスクワットをしています

このような体の使い方では、いつ膝に痛みが出てもおかしくありません。

主に体幹を伸ばす方向への柔軟性改善と、動きの土台として体幹を安定させること。この2つを最初の目標に、リハビリ開始です。

バスケによる膝痛に実際行ったリハビリ

実際のリハビリ内容を紹介させていただきます。

まずは丸まった背中を伸ばしていく

まずは、丸まった背中を伸ばすことから始めました。

①背骨を伸ばす

IMG 4205 e1526519330303 300x400 - バスケと膝の痛み┃リスクを極限まで減らす体の使い方とは引用元:運動能力は背骨で決まるP.39 株式会社マキノ出版 著者:齋藤 應典

このように、30秒を目安に背中を伸ばしていきます。

②お腹の筋肉を伸ばす

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丸まった姿勢はお腹の筋肉も固くし、体を伸ばしにくくしてしまいます。
これも同じように、30秒を目安に伸ばしていきます。

体の前側が固くなれば、当然伸びる動きを邪魔します。
最初は、体の前面をほぐすことから始めました。

骨盤が丸まらないように太ももの後ろのストレッチ

上半身のケアと一緒に、骨盤が丸くなってしまわない為のストレッチも行いました。

・ハムストリングスのストレッチ

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ハムストリングスが固くなると、骨盤を丸くするように働きます。
その部分をしっかり伸ばしました。

(30秒ほど)

股関節を広く使うためのストレッチ

股関節は体の重心に近い関節”で、この部分がしっかり使えることで、重心のコントロールが向上します。

またスクワットやバスケで相手をマークする姿勢も、股関節で体を折りたたんでいく動きになるので、この部分はしっかり動かせるようにしておく必要があります。

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簡単ですが意外と効果的。

四股を踏むストレッチを取り入れました。

骨盤を起こし、股関節をしっかり使った体の使い方を身に付ける

そしていよいよ、膝への負担が少ない動きを身に付ける練習をしていきます。

①まずは、一瞬で股関節を折りたたんだ前傾姿勢を作れるようにしていきます。

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まっすぐ立った状態からこの位置まで、スッと姿勢変換ができるまで繰り返します。

②次はその前傾した姿勢からジャンプをして、再びこの前傾姿勢に戻る練習をします。

③さらに、ジャンプで90度反転して、同様に前傾姿勢で着地する練習をします。
(左右とも行います)

④最後は、ジャンプで180度回転して、前傾姿勢で着地する練習をします。
(右回り、左回りの両方行います)

始めはかなりぎこちなかったですが、繰り返していくうちに膝への負担が少ない前傾姿勢を獲得することができました。

※他にも・・・

前傾姿勢を保ったままサイドステップをしたり、相手選手を想定して、その姿勢のままマークする練習なども行いました。

この方の場合、体を前傾していれば膝の痛みが治まっていたので、このようなリハビリも積極的に行うことができました。

まだ強い痛みがある方は、先に説明させていただいたストレッチだけでもOKです。


リハビリの結果は・・・

1ヶ月が経つ頃にはほとんど痛みも感じなくなり、2ヶ月後には動きが見違えるほど良くなっいました。

患者さんは、”自分の動き方や姿勢の癖が膝に影響を与ええていた”ということにとても共感してくれたようで、自宅でも痛みのない範囲でストレッチや体操を繰り返してくれていたそうです。

3ヶ月目は2週間に1回のペースでリハビリを実施し、無事卒業されていきました。


リハビリの経過はこのような流れでした。少しイメージがわいたでしょうか。

膝を痛めてしまう方の多くは、それなりの動きをしていることがほとんどです。

しっかりと見極めてケアしてあげれば、自然と症状が治まるケースも多くあります。

この方の場合はジャンパー膝のような症状だったので、リハビリだけで何とかなりました。
しかし靭帯が断裂していたり、半月板に傷ができている場合は医師による診断と治療が必要になります。
何か膝に不安を感じたら、お近くの整形外科に受診するようにして下さい。

まとめ:バスケと膝の痛みについて

バスケという競技の特性上、やむを得ず膝を怪我してしまうこともあります。

しかし、多くの場合は未然に防ぐことができるものばかり。

  • なぜ膝に負担がかかっているのか?
  • どうすれば負担が減らせるのか?

その2点を把握して、しっかり対処していくことが大切です。

この記事で1つでも2つでも共感できるものがあれば、是非取り組んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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