【テニスによる膝の痛み】原因と予防の本質はこれ!理学療法士の徒然

テニスで膝を痛めてしまった」

膝の痛みで満足にテニスができない」

そんな方は意外といらっしゃるのではないでしょうか。

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テニスは接触事故こそ少ないものの、踏み込み・急ブレーキ・ジャンプなど膝を酷使する動作を繰り返すスポーツ。

骨の成長が途中にある学生(テニス部)や、久しぶりにテニスを再開した大人の方まで、真剣に取り組むほど膝の痛みはついて回ります。

ここでは、そんなテニスと膝の痛みの関係について、理学療法士の視点から踏み込んでまとめてみました。

監督やコーチでは伝えきれない体の使い方など、お役に立てる情報があるかと思いますので、よければ参考にしてください。

テニスで膝を痛めてしまう原因:競技特性に注目して

まずは、テニスで膝を痛めてしまう原因について触れていきます。

踏み込み・急ブレーキが膝にもたらす危険

とっさにボールに食らいついたり、急ブレーキからの方向転換などの際には、どうしても膝の関節に負担がかかります。

膝関節は以下のような構造をしているので、骨と骨が噛み合った股関節などとは違い、とても不安定という特徴があります。

IMG 4306 e1527749896619 300x400 - 【テニスによる膝の痛み】原因と予防の本質はこれ!理学療法士の徒然引用元:ネッター解剖学アトラス(原著第3版)P.472 株式会社南光堂 著者:Frank H.Netter

まさに面と面が接しているだけのような関節なので、踏み込んだ際などには少なからず”ズレ”が生じることに・・・

このズレが小さければ、周りの筋肉でコントロールでき足り、関節周囲の靭帯がしっかり支えてくれるのですが、大きくズレた場合は、靭帯損傷・半月板損傷といって、関節を構成する組織を痛めてしまうことにつながります。

しかし、「同じテニスをしているのに、怪我をしやすい人としにくい人がいるのはなぜ?
そんな疑問が浮かびませんか?

その答えについては、下記の「膝の痛みを繰り返さないための運動療法」でまとめています。

お皿の下の内側が痛い!(鵞足炎:がそくえん)

踏み込む際、通常であればお皿の向きとつま先の向きが一致しているはずです。

しかし、体幹や股関節での支持性低下がみられると、膝を内側に入れてその支持性を補うような動きがよくみられます

通称:knee-inといわれ、力のない女性に多くみられます。

膝が内側に入ると、お皿の斜め内側下部にある、鵞足という部分に付着する筋肉に負担がかかるので、同部に炎症が起きることがあります。

この辺りです↓↓↓

IMG 4306 コピー 300x400 - 【テニスによる膝の痛み】原因と予防の本質はこれ!理学療法士の徒然引用元:ネッター解剖学アトラス(原著第3版)P.472 株式会社南光堂 著者:Frank H.Netter

鵞足炎になってしまうリスクの確認方法は、まっすぐ立っていただき、片足を大きく前に踏み出してみます。

※丁度アキレス腱伸ばしのような姿勢になる感じです。

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この時に、前に出した足のつま先に対して、膝が内側に向いていた場合、鵞足炎になるリスクが高いといえます。

※詳細なトレーニングは下記でまとめています。

膝下の軟骨の剥離:成長期に多いオスグット・シュラッター病

成長期にあたる中高生の時期は、骨が急激に伸びる時期でもあります。

お皿の下の骨の出っ張り部分は脛骨粗面(けいこつそめん)といわれ、ここに大腿四頭筋(だいたいしとうきん)という筋肉が付着しているのですが、骨が急に伸びてしまうと、筋肉の長さがついていけず、この部分を引っ張って炎症を起こすことがあります

またこの時期の骨はまだ軟骨の状態なので、大腿四頭筋が脛骨粗面を引っ張ることで、軟骨を剥がしてしまうことがあり、これをオスグット・シュラッター病と言います。

中には、脛骨粗面が引っ張られすぎて、大人になっても膝下の骨が出っ張ったままの方もいらっしゃいます。

一見成長によるものなので、どうしようもなく感じますが、実は姿勢の癖などで大腿四頭筋を余分に緊張させていていることが原因になっているケースも少なくありません。

動き方1つかえるだけで、膝への負担をグッと減らすことも可能です。

※詳細は、下記でまとめています。

【オスグットに近いジャンパー膝】

大人になってからも、オスグットと近い場所に痛みを感じるケースも少なくありません。
原因は大腿四頭筋の使い過ぎです。
ジャンパー膝は膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)と呼ばれています。

ジャンパー膝については、こちらで詳しくまとめています。

【膝の痛み】ジャンプと着地がつらい⇒意外すぎる2つの原因とは 


以上が、テニスで膝を痛めてしまう主な原因になります。

次は膝痛を繰り返さないためにお勧めの運動療法について、紹介させていただきます。

デニスで膝を痛めてしまった…。繰り返さないための運動療法まとめ

膝を痛めてしまう原因がわかれば、対策方法もおのずとわかってきます。
ここからは、理学療法士の視点から膝痛を予防する方法を紹介していきます。

膝への負担を軽減するために:股関節を広く使うためのストレッチ

股関節は、ありとあらゆる方向に動くことができる関節です。

そんな関節が固くなれば、膝に余分な動きが要求され負担が増えてしまいます。

また股関節は重心の位置に近い関節なので、この部分の動きの幅が広がると、テニスのパフォーマンス向上にもつながります。

以下のような四股踏みのストレッチを実施してみましょう。

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30秒を目安に、この姿勢を保ちます。

この際、膝が内側に入らないように、両肘で膝を外に広げてあげるのもポイントです。

股関節が固いと場合、動きの幅が極端に狭くなってしまいます。
しっかりと広げておいてください。

膝ではなくつま先・股関節で体重を支える(踏む込み・ブレーキ・ジャンプなど)

テニスという競技特性上、一番膝への負担となる動きは”踏み込み・急ブレーキ・ジャンプの着地”などです。

膝を痛めてしまう方は、これらの動作を膝だけで行う癖がついてい事が多く、つま先や股関節といった部分は、ほとんど衝撃吸収に参加していません。

具体的には、このような膝が前に出てしまうような姿勢になりやすい方が、要注意ということになります。

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大切なことは、つま先・膝関節・股関節の3つが協力して、衝撃を吸収できるようになるということ。

そのための練習は以下のようになります。

↓↓↓

【つま先・膝・股関節をバランスよく使うための練習】

①まずジャンプの着地姿勢を作ります。

お尻を惹いて、膝をあまり前に出さないようにしてください。
重心の位置が、膝の真上に来るくらいが一番膝への負担が少なくなります。

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②次にジャンプをして、再びこの姿勢に戻ってくる練習を繰り返します。

③一瞬でこの着地姿勢に戻ることができるまで繰り返しましょう。

【踏み込んだ際、膝に負担がかからない動きを学習する】

①まっすぐ立ちます。

②そのまま、片足を前に踏み出していきます。

③この時、なるべく膝の上に重心が来るように意識します。

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④元の立った状態に戻ってきます。

⑤今度は反対の足を同じように踏み出していきます。

この踏み込んだ際も、一瞬でその姿勢が作れるようになることが目標です。

慣れるまで、何度か繰り返してみてください。

※踏み込んだ際、つま先とお皿の向きを揃えるようにしてください。

痛みが強い場合は、控えるようにしてください。


2つの運動のどちらにも言えることですが、上半身が少しでも後ろに行き、重心が膝の上から離れていくほど、膝への負担は大きくなります。

重心と膝の位置関係を自由にコントロールできるようになると、怪我の予防はもちろん、身体も自由に動くようになり、パフォーマンス向上にも期待できます。

内股になるのを防ぐための体幹・股関節のトレーニング

膝が内側に入ってしまう方は、体幹や股関節に筋力低下がみられることが多いです。

体幹は力強く手足を動かすための土台でもあるので、そこがブレないようにしっかりと強化しておきましょう。

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このような姿勢になり、体が丸まったり反ったりしないように注意しながら、30秒ほどこらえてみましょう。

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少し余裕ができてきたら、こちらの姿勢で同じように30秒保ってみましょう。

この運動の前後に、上でも説明させていただいた前に片足を踏み出す動作を試してみてください。
運動前は膝がつま先よりも内側に入っていたにもかかわらず、トレーニング後に改善されていれば、しっかり体幹が鍛えられている証拠です。

オスグット・ジャンパー膝を予防する:膝に負担をかけない動き方

オスグットやジャンパー膝を予防するには、大腿四頭筋という太ももの前の筋肉に負担をかけないように動くことがポイントになります。

繰り返し説明させていただいていますが、大腿四頭筋は上半身が膝に対して後ろに行くほど強く働くようになります。

身体を起こしてスクワットをしていただくと、太ももの前がパンパンになりますよね?
それに対して体を前傾させてスクワットをすれば、そこまで太もものハリは感じないと思います。

この予防方法は、上で説明させていただいた、”膝ではなくつま先・股関節で体重を支える”と同じと思っていただいて構いません。

膝の上に重心が来るような動き方が身につけば、大腿四頭筋への負担も自然と少なくなります。


以上のように、膝の痛みと言ってもその原因は他の場所にあるケースがほとんどです。

ご自身の動きの傾向と照らし合わせながら、共感できるものだけでも実践してみてください。

【補足:その他に注意したい事】

・関節が腫れていたり熱を持っている場合は、テニスはもちろん運動も控えるようにしましょう。病院で、適切な診断と治療を受けてください。

・サポーターなどがあれば、プレー中は積極的に装着することをお勧めします。

・テーピングの知識があれば、取り入れてみることもお勧めです。

・コートが固い場合は、クッション性が高いテニスシューズを選ぶことも大切です。

番外編:テニスボールで膝痛を予防する

テニスボールを使った膝のケアは、”膝の痛みは、関節を包む袋の中の動きに問題がある”ということを提唱している酒井慎太郎先生により広められたケア方法です。

膝裏にテニスボールを挟んで曲げることで、関節の中の動きを修正しようというものになります。

  • おもだるい痛み
  • 長時間歩いていると痛くなる
  • 階段や正座など、特定の動きで痛みを感じる

そんな方は、試してみる価値ありです。

反対に・・・・
”膝関節が腫れている・痛む・熱を持っている・赤くなっている”
このように炎症初見がある場合は、実施しないようにしましょう。

【具体的な方法】

①最初に、膝裏のストレッチをしておきます。
(筋肉を緩めることで、テニスボールが奥まで入りやすくなります)

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②あおむに寝て力を抜きます

③膝の後ろにテニスボールを挟み、両手でスネを手前に引きつけて膝を曲げて行きます

④筋肉がこわばっていると痛むことがあるので、最初はやさしく行ってください。

酒井先生は、1日3回このストレッチを行うことを勧めています。
服装はなるべくゆったりして動きを邪魔しないようなものを選び、呼吸を止めないようにリラックスしながら行ってみてください。

まとめ:膝の痛みとテニスについて

テニスによる膝の痛みは、接触による怪我などがない分、体の使い方や筋力に問題があることがほとんどです。

ということは、”しっかり体の使い方さえ学習できれば防ぐことができる”とも言い換えることができます。

  • やみくもに筋トレやストレッチをしていた
  • 湿布や鎮痛薬でごまかしていた

そんな方は、まだまだ改善のチャンスがあるはずです。

この記事の中に心当たりがあるものがあれば、取組んでみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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