【妊娠初期の膝の痛み】理学療法士の視点から見た対処法について

妊娠初期膝の痛み・・・これって何か関係があるの?』
そんな不安を抱えている方は、意外といらっしゃるのではないでしょうか。

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妊娠は女性にとっての一大イベント。
体の中で起きる大きな変化は、膝をはじめ関節の痛みとも関係しています。

ここでは、妊娠初期に膝が痛む3つの理由に触れながら、一般的に言われている対処法と理学療法士の視点から見た対処法についてまとめさせていただきました。

 
膝の痛みに悩む方にとってプラスになる部分もあるかと思いますので、よければ最後までの目を通してみてください。

妊娠初期に膝が痛む3つの理由

まずは、妊娠初期に膝に痛みがでる3つの理由から、確認していきましょう。

骨盤を緩ませるホルモン”リラキシン”の影響

妊娠初期の膝の痛みの一番の理由は、リラキシンというホルモンの影響です。

このホルモンは妊娠初期から出産後まで分泌が続き、骨盤周りの靭帯や筋肉をゆるめる作用があります。そして、その影響は膝関節まで及ぶことも・・・

リラキシンは安産のために必要なホルモンなのですが、関節をゆるめることで不安定性が増すため、周りの筋肉や靭帯への負担も大きくなってしまいます。

  • 動き出しのピリピリした感じ
  • 風邪をひいた時のような、関節のなんとも言えないおもだるさ

    その背景には、リラキシンの影響があります

関節が不安定になることで、周りの筋肉はそれを守るためにこわばります。
それがさらに血行不良を生み、痛みの悪化につながってしまうんです。

リラキシンは出産直後まで分泌が続くので、妊娠中は関節の痛みとうまく付き合っていく必要があります。


一般的に言われている妊娠初期の痛みの原因は、説明させていただいたようにリラキシンの影響と言われていますが、それ以外にも痛みを助長してしまう要因があります。

体の変化に伴う”不安”による痛み

痛みには”心因性疼痛”と言って、心理的な不安から感じる痛みもあります。

不安やストレスを感じると、自律神経の1つの交感神経の興奮が高まり、血管を縮め筋肉をこわばらせてしまいます。

また人は痛みを感じると脳内でドーパミンという物質を分泌し、痛みを感じにくくさせる作用が働くのですが、不安が大きくなると、このドーパミンの分泌量が減ってしまいます。

  • 交感神経が血管を縮め筋肉をこわばらせる
  • ドーパミンの鎮痛作用が働かなくなる

不安はこれらの変化を生むため、慢性的な痛みになってしまうこともあります。

初めての妊娠の場合はわからないことばかり。
体の変化に心がついていけず、不安ばかり大きくなってしまう方もいらっしゃると思います

1人になると考え込んでしまいがちなので、お友達や家族に甘えることも、この時期には大切です。

理解してもらえる人がいれば話を聞いてもらったり、気分転換になる趣味などがあれば積極的に取り組んでみてはいかがでしょうか。

膝の痛みとストレスの関係については、こちらで詳細にまとめています。
【膝の痛みとストレス】どう向き合う?⇒実例を紹介します

不安からくる”上半身の固さ”に関連する痛み

不安に関連して、体にはもう一つ大きな変化が起こります。

それは・・・

不安があると、肩周りの筋肉がこわばる

ということです。

肩すかしを食らう・肩の荷が下りる・肩を怒らす・肩を落とす・肩にかかる・・・

肩にはこのような慣用句がたくさんあり、心理的な面と深いつながりがある部分。

不安やストレスがあると無意識に肩に力が入るので、上半身がこわばってしまいます。

腕や肩甲骨を含めた上半身は、バランスをとる際に重要になるのですが、その部分が固まってしまうと、下半身が余計にバランスをとらなければいけなくなります。

その結果、腰や膝には負担がかかり、痛みへとつながっていくこともあるんです。

一見関係ないようですが、上半身と膝の痛みに深いつながりがあります。
記事後半で、実際に上半身にアプローチして膝痛が減った方の例を紹介させていただいています。

次は、妊娠初期の膝痛の対処法を見ていきましょう。

妊娠初期の膝の痛みの対処法

妊娠初期の膝の痛みの対処法を確認していきましょう。

妊娠初期の膝の痛みの対処法①:一般的に言われていること

一般的に言われている対処法を、まとめておきます。

正しい姿勢を保つ・歪みを予防する

骨盤は左右の寛骨(かんこつ)という骨と、真ん中の仙骨(せんこつ)という3つの骨でできていて、その間の関節を仙腸関節(せんちょうかんせつ)と言います。

この部分です↓↓↓

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仙腸関節は妊娠の有無にかかわらず、背中を丸めた姿勢の時にゆるくなり、骨盤を起こした時にキュッと引き締まるようになっています。

※左が仙腸関節がゆるい状態で、右が引き締まった状態です↓↓↓

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なので、ただでさえ妊娠中で関節がゆるくなっているときは、骨盤をしっかり立てるように意識すると良いでしょう。

骨盤の安定は全身の関節に影響を及ぼすので、膝関節への負担も減らすことができます。

ただ、良い姿勢を意識しすぎるあまり、腰の筋肉がこわばり腰痛になってしまう可能性もあるので、楽に良い姿勢をとることができる方法を紹介しておきます。

・楽に良い姿勢をとるには

床に座るときは、お尻の下にクッションや座布団を敷いて座面を高くすると、骨盤を起こしやすくなります。

また椅子に座るときも、低い椅子は背中が丸くなってしまうので、高めの椅子に座るようにしましょう。

その他に、骨盤を歪ませないような生活習慣にも心掛けましょう。

  • 足を組む
  • 女の子座り(横座り)
  • カバンを同じ手で持つ
  • 寝る向きがいつも一緒

この時期は骨盤がゆるくなっていることもあり、簡単に歪んでしまいます。
気付いた時だけでも、上記のようなクセに気を付けることが大切です。

入浴で身体を温める

冷えは筋肉をさらにこわばらせ、おもだるさを悪化させます。
また、冷えると痛みにも敏感になることがわかっているので、特に注意したいところです。

冷えと膝の痛みの関係は、こちらで詳細にまとめています。
【膝の痛み】寒さ・冷えがつらい…⇒そんなときはコレ!

妊娠中はなるべく湯船に浸かるようにして、1日の疲れをしっかり取りましょう。

また体への負担を考えて・・・

  • 40度以下のぬるま湯
  • のぼせない程度の時間
  • 水圧がかからないように水は少なめ

このような工夫をしておくと、安心して入浴することができます。

身体を温めるという意味では、レギンスやサポーターなどを装着したり、床に座る際は、お尻が冷えないようにクッションなどを敷くのもお勧めです。

軽めのストレッチ・マッサージ

体に負担がかからない程度で、軽めのストレッチやマッサージをするのもお勧めです。

特に負担がかかりやすい、腰周りをほぐしておきましょう。

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側屈やひねりを加えながら、30秒ほどゆっくり伸ばしていきます。
(無理のない範囲で行ってください。)

股関節から太もも、膝にかけての筋肉も、心地よい程度でストレッチしましょう。

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同じように、無理のない範囲で30秒ほどゆっくり伸ばしていきます。

またお風呂などで、太もも・ふくらはぎ・足の裏などのマッサージをするのも良いですね。

痛みが強い場合は、整体などの専門家に頼ることを検討してみるのも1つです。
その際は、妊婦さんの整体を行っている場所であるかを確認し、自分が妊娠していることもしっかりと伝えるようにしましょう。

※施術中に違和感を感じたら、すぐに中止してもらってください。

適度な運動

ウォーキングなど、軽めの有酸素運動を取り入れることも大切です。

妊娠中はただでさえ運動不足になりがちなので、筋力・体力共に低下してしまいます。

運動をすることで筋力・体力の維持向上はもちろん、軟骨の代謝を高めて関節を丈夫にしたり、循環が良くなることで体温が上昇することで免疫力も向上します。

妊娠中は風邪をひいても薬に頼れないので、免疫力を高めるという意味でも、是非運動を取り入れてみてはいかがでしょうか。

また、お産の際、ママの血圧はかなり高くなります。
そうなるとママの体にも影響が出ることもあるので、血圧のコントロールの一環としても運動をしておくことをお勧めします。

実際、出産時に脳出血になってしまうママもいらっしゃいます。

痛みがひどいときは、湿布薬なども検討

湿布には鎮痛成分が含まれているので、貼ることで痛みの軽減が期待できます。

ただ湿布の中には、妊婦さんに悪影響を及ぼすものもあるので、かかりつけの病院や薬局の薬剤師の方などにしっかり聞いてから購入するようにしてください。


紹介させていただいた事は、どれも妊娠中には当たり前に言われることばかりかと思います。

しかし、意味を分かっているかいないかで、その効果も変わってくるはずです。

納得できたものだけでも、良ければ取り組んでみてください。

骨盤が緩くなることは、妊娠・出産には必要なことです。
バンドなどで無理やり強く締めるけるのは、避けたほうが賢明です。

妊娠初期の膝の痛みの対処法②:理学療法士の支点から見たケア方法

先ほど、”不安やストレスにより上半身が固くなってしまう”というお話をさせていただきました。

上半身の柔軟性を高め、バランスに参加させてあげるだけで、膝を始め下半身がかなり楽になることが多いです。

もし余裕があれば、上半身をほぐすのような運動も取り入れてみてください。

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いざ伸ばしてみると、意外と固さを感じた方も多いかと思います。

気持ちよく感じる程度で、よければ続けてみてください。

※肩甲骨や首を回すような運動もお勧めです。


最後に、上半身の柔軟性を高めたことで膝の痛みが軽減した患者さんの一例を紹介させていただきます。

妊娠初期に膝の痛みを訴えられた患者様の一例:上半身のこわばりに注目して…

この患者さんは、妊娠が判明した瞬間に交通事故にあわれてしまいました。
タイミングとしては最悪です。

幸い大きな事故ではなく、症状はむち打ちによる首・肩の痛みと、事故前から見られる膝の痛みの悪化でした。

最初は首・肩の痛みから首を回すこともできず、肩を怒らせて上半身はガチガチの状態。

患者さん曰く、『膝の痛みがなぜか事故後に悪化し、動き出しなどで強い痛みを感じるよになった』とのことでした。

『これは関係があるかも!』と思いながら、上半身の力を何とか抜けるようにリハビリを進めていきます・・・。

こわばった肩・背中・頭の筋肉をほぐし、なるべく首や肩が自由に動かせるように促していく中で、自然と膝の痛みも取れていきました。

  • 事故にあう前から、妊娠初期の膝の痛みがあったこと
  • 首・肩がこわばったことで膝の痛みが増強したこと
  • 首・肩がほぐれていく中で、膝の痛みが減っていったこと

この3つを考えると、やはり上半身の固さと膝の痛みは無関係とは言えません。

しつこいようですが、妊娠中で膝の痛みを感じている方は、上半身もしっかり動かしておくことをお勧めします。

まとめ:妊娠初期の膝の痛みについて

妊娠・出産は女性にとっての一大イベント。体の中では劇的な変化が起きています。

関節がゆるみ膝に痛みが起きるのも、『妊娠・出産には必要なこと』そう思えば、少しだけ気も楽になるのではないでしょうか?

不安やストレスは妊婦さんの大敵です。

関節の痛みともうまく付き合い、気負わず気楽に、女性の特権である妊娠期間を過ごしてみてはいかがでしょうか?

今のつらさなんか忘れるくらいの幸せが、きっと待っているはずですよ(^^)

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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