『この膝の痛みは靭帯損傷?』鑑別方法と病院へ行くべき目安

もしかしたら膝の靭帯を痛めてしまったかも…

膝の痛みを感じ、このように不安になっている方はいらっしゃいませんか?

f75685309b560477ea17faee961701a5 s 300x200 - 『この膝の痛みは靭帯損傷?』鑑別方法と病院へ行くべき目安

そして・・・

  • 自分の症状、は靭帯損傷によるものなのか
  • 病院へ行った方が良いのか
  • 治療を始めたももの、この方法で良いのか
  • いつになったら良くなるのか

このような疑問も尽きないことかと思います。

ここではそんな不安や疑問を少しでも解消できるよう、膝の靭帯損傷についてまとめさせていただきました。

はじめに靭帯損傷についての疑問をまとめておきます

まずは、膝の靭帯損傷に関する疑問点と回答をまとめておきます。

どの程度の症状から病院へ行くべきなの?

一言に【靭帯損傷】といっても、その程度は異なります。

断裂といって、完全に切れてしまっている場合もあれば、部分的に断裂している場合も、伸びているだけの場合もある。
 
  • 炎症症状(痛み・腫れ・熱・赤み)
  • 膝の不安定さ
  • 力が抜けて膝が崩れる

これらの症状を感じた場合は、病院へ行き状態を確認しましょう。

どんな治療をするの?

靭帯損傷がごくごく軽い場合は、サポーターなども付けず、湿布・痛み止め・筋トレなどの自主訓練を行うだけで様子をみることが多いです。

関節に不安定さが出るほどの靭帯損傷の場合は、専用の装具で膝のズレを予防しながら、痛みと相談して筋トレやストレッチなどを進めていきます。

前十字靭帯という靭帯が断裂してしまった場合は、手術適応になります。
数か月間のリハビリ後、競技復帰となります。

手術した後のボルトは抜くの?

手術した場所が安定してくる、1年~1年半ほどでボルトを抜くことが多いです。

どのくらいで良くなるの?

軽い損傷であれば、1週間~3週間ほどでスポーツに復帰することも可能です。

重度の損傷の場合は、半年~1年ほどかかる場合もあります。


  • 病院へ行くべきか、行かなくてもいいのか
  • 治療を開始したものの、どのくらいで良くなるのか

その辺りは、皆さん疑問に思う部分ではないでしょうか?

よければ参考にしてください。

※ここからは靭帯損傷について、少し掘り下げてまとめていきたいと思います。

この膝の痛みは靭帯損傷?怪我をするのはどんな時?

膝には、主に4つの靭帯があります。
それぞれの位置や特徴、また怪我をする場面などを確認していきましょう。

984471 1 300x299 - 『この膝の痛みは靭帯損傷?』鑑別方法と病院へ行くべき目安

内側側副靭帯(ないそくそくふくじんたい)について

内側側副靭帯は、文字通り膝関節の内側にある靭帯です。

大腿骨と脛骨の内側をつなぎとめ、関節がズレないようにしてくれています。

この靭帯は、膝が曲がった状態で内側に押し込まれたときに損傷しやすく、丁度このような体勢になります。

接触プレーやジャンプの着地時に膝が内側に入る事で、痛めてしまうことが多いです。

【内側側副靭帯を損傷しやすいスポーツ】

  • サッカー
  • 柔道
  • レスリング
  • ラグビー
  • バスケットボール ・・・などなど

外側側副靭帯(がいそくそくふくじんたい)について

外側側副靭帯は、膝関節の外側で大腿骨と脛骨をつないでいる靭帯です。

膝が外側に動きすぎることで受傷してしまうのですが、日常生活やスポーツの場面においてそれほど多い動きではなく、靭帯損傷としては珍しい怪我になります。

しかし強い外力が加わればもちろん損傷することもあり、その場合、外側側副靭帯以外の靭帯や半月板の損傷なども合併している事が多いです

変形性膝関節症の方によくみられるO脚の場合も、外側側副靭帯にはストレスがかかります。
この場合は”断裂”というわけではなく、伸ばされることによる痛みになります。

前十字靭帯(ぜんじゅうじじんたい)について

膝関節の中には前十字靭帯と後十字靭帯があり、こちらも文字通り、膝の中でクロスすることで関節の”前後のズレ”を防いでいます。

このうち前十字靭帯は、脛骨(けいこつ)という下側の骨が前方にズレないように止める働きがあります

その為、脛骨が前方に押し出されるような動きが強制された場合に傷つきやすく、他にも膝に予期せぬ”ひねり”が加わった際などに損傷することが多いです。

前十字靭帯は関節内にある靭帯なので、なかなか自然治癒が見込めないといわれています。
保存療法での回復は難しく、手術対象になることが多い靭帯損傷です。

後十字靭帯損傷(こうじゅじじたいそんしょう)について

後十字靭帯は前十字靭帯と逆の働きがあり、脛骨が後方にズレないようにしてくれています。

靭帯損傷としての頻度はそこまで多くなく、この場合も強い接触プレーや交通事故などで、スネの骨(脛骨)が後方に押し込まれた際などに受傷します。

また特徴的な所見として、体操座りをしたときに脛骨が後方に落ち込み、お皿の下に窪みが確認できます

後十字靭帯損傷の場合、初期の炎症が落ち着けば日常生活・スポーツへの影響も少ないことが多いです。


以上が靭帯の特徴と、怪我をしやすい場面のまとめになります。

それぞれの靭帯で、制限する動きの方向が決まっています。

診察を受ける際は、

  • どの方向から衝撃が加わったのか
  • どんな体勢の時に痛めたのか

などをできるだけ詳細に伝えることが、正確な診断につながります。

一番多い内側側副靭帯に前十字靭帯損傷と半月板損傷が合併する事があります。
この3つの組織の損傷は、不幸の三徴候(アンハッピートライアド)と呼ばれています。

次は、それぞれの靭帯損傷における、症状の違いを確認していきましょう。

膝の痛みは靭帯損傷の影響?靭帯損傷の症状まとめ

888926 300x214 - 『この膝の痛みは靭帯損傷?』鑑別方法と病院へ行くべき目安

膝に痛みを抱える方の中には、『この痛みは靭帯の痛みなの?』と不安になっている方もいらっしゃると思います。

靭帯損傷の症状を知ることで病院へ行く目安にもなる”かと思いますので、参考にしてみてください。

内側側副靭帯損傷の症状について

内側側副靭帯を損傷した場合、膝を内側に入れた場合に強い痛みを感じます。
また同様のタイミングで関節の不安定感を感じたり、戻すときにガクッと骨が動くのを感じる場合があります。

また、膝の内側が腫れることもあります。

【症状】

  • 膝を内側に入れると痛む
  • 不安感があり、骨が動く感じがする
  • 膝の内側が腫れる

※以上のような症状が確認された場合は、内側側副靭帯損傷が疑われます。

同じ膝の内側の痛みに、鵞足炎(がそくえん)という病態があります。
迷わないために、よければこちらの記事も参考にしてください。
『この膝の痛みは鵞足炎?』⇒疑問を解決!原因から根本ケアまで

外側側副靭帯損傷の症状について

膝を外側に移動させた場合に痛みを感じ、同時に関節の不安定さを感じる場合があります。

内側側副靭帯同様に、膝の外側が腫れが確認されます。

【症状】

  • 膝を外側に動かすと痛む
  • 関節の不安定感を覚える
  • 膝の外側が腫れる

前十字靭帯損傷の症状について

前十字靭帯は関節内にある靭帯です。
その為損傷して出血が起こると、膝関節が腫れてきます

前十字靭帯の作用として”脛骨の前方への動きを止める”という働きがあるので、損傷することで脛骨が前方に出てくるようになります(スネの骨が前に出てくる)。

また体重がかかるときに、ガクンと力が抜ける”膝崩れ(ギビングウェイ)”が見られることも特徴です。

歩けるようになっても、靭帯が傷ついている限りこの膝崩れは続くため、手術をすることになるケースがほとんどです。

【症状】

  • 膝の痛み
  • 脛骨の前方不安定性
  • 関節の腫れ
  • 膝崩れ

後十字靭帯損傷の症状について

関節内にある靭帯なので、前十字靭帯損傷同様に膝が腫れてきます。

また前十字靭帯と反対に、脛骨の後ろへの動きを止める働きがあるため、損傷した場合は脛骨が後方に落ち込みます。

  • 膝を曲げると痛みが増強する
  • 関節が腫れる
  • 体操座りをすると脛骨が後方に落ち込む
  • 炎症が治まれば日常生活やスポーツへの影響も少ない

この4つが、後十字靭帯損傷の特徴です。


靭帯損傷の場合、レントゲンで関節の不安定さを確認したり、MRIで損傷の具合などを確認しなければ、詳細な診断はできません。

損傷がどの程度なのか…

それによって、安静度・固定期間・手術の有無などが決まるため、説明させていただいた靭帯損傷の症状が見られた場合はまず病院を受診し、今の状態を把握しておくことをお勧めします。

靭帯損傷の治療方法は?競技復帰までの期間は?

0f2db58809b2cf40c6e28733fd96bec0 s 300x200 - 『この膝の痛みは靭帯損傷?』鑑別方法と病院へ行くべき目安

靭帯損傷の治療方法は、損傷の程度によって変わります。

  • こんな治療で本当に治るの?
  • どのくらいまで回復が進んでいるの?

といった不安がある方は、自分の靭帯損傷の程度を把握し、それに合った治療がなされているのかを確認してみてください。

専門的な治療については、医師や理学療法士の指示に従うようにしてください。
っこではあくまで、”靭帯損傷の治療の概要”として説明させていただきます。

靭帯が伸びているが切れてはいない状態

この場合、サポーターなどで膝を固定することもあれば、なにも付けづに経過を見ることもあります。

関節を安静にするというよりも、

  • 固まらないように
  • 筋力が落ちないように

この2つのことを重要視し、無理のない範囲での運動・筋トレ・ストレッチなどが積極的に進められます

※痛めていない側に筋力や不安定さが追い付いた時点で、競技復帰となります。

靭帯が部分的に切れてしまっている場合

この場合も保存療法となることが多いです。
普段の生活ではサポーターや装具を付けて、靭帯にストレスがかからないようにします。

痛みと相談しながらリハビリを進め、筋力や不安感などを確認しながら、競技へ復帰していきます。

靭帯が完全に切れてしまっている場合

この場合、靭帯によって治療方法が変わります。

  • 内側側副靭帯が断裂:装具による保存療法
  • 前十字靭帯が断裂:手術(自家腱移植による再建術)

内側側副靭帯断裂の場合は、手術はせず保存療法が基本で、痛めていない側と同じレベルまで回復した段階で競技復帰となります。

前十字靭帯は関節内にあるため自然治癒が難しく、再建術といわれる手術が選択されます

前十字靭帯損傷は手術適応となることがほとんどなので、復帰までに時間がかかります。
スポーツ障害としては厄介な怪我です。

⇒自家腱移植による再建術とは?

太ももの後ろにあるハムストリングの腱や、お皿の下にある膝蓋腱(しつがいけん)の一部を切除し、それを前十字靭帯として再建する手術です。
この際ボルトで腱を固定するため、腱がしっかりした1年~1年半を目途にボルトを外すことが多いです。


以上が、靭帯損傷のおおまかな治療の流れになります。

靭帯損傷の競技復帰の目安は・・・

【内側側副靭帯】
・靭帯が完全に切れてしまっている場合、復帰までに3~4ヶ月かかる

【前十字靭帯損傷】
・手術後2週間前後で退院
・半年~1年を目安に完全復帰を目指す

となります。

一言に靭帯損傷といっても、どの靭帯か、どの程度損傷しているのかによって復帰時期は変わります。

不安な方は、自分が今どの段階にいるのかを、医師やリハビリ担当者に確認するようにしてください。

靭帯の回復は非常にゆっくりで、受傷後3ヶ月で50%、受傷後1年でも70%程度までしか強度は戻りません。
復帰後もストレッチや筋力トレーニングを欠かさずに、定期的なメンテナンスも忘れずに行っていく必要があります。

まとめ:膝の痛みと靭帯損傷について

膝に強い痛みを感じると『靭帯が痛んでいるのかも…』と不安になりますよね?

不安は痛みを助長するといわれているので、さらに痛みが強まりそしてまた不安に・・・

という悪循環に陥っている方も、いらっしゃるのではないでしょうか。

安心するという意味でも、こちらでまとめさせていただいたような症状が見られた場合は、

一度整形外科で診てもらうことをお勧めします。

特にスポーツをやられている方の場合、対応が遅れるほど復帰までの期間も長くなってしまいます。

原因を確かめ、迷いなく対処していくことが、回復への一番の近道です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※当てはまる症状がありましたら、下記の記事も参考にしてみてください。

【膝の痛み】階段を降りるときがつらい!対処法のすべて
『膝裏がしゃがむと痛い…』自分で解決できる?【専門家の徒然】
【変形性膝関節症の膝裏の痛み】本気で治したい方へ
【膝の痛み】夜間痛がある・朝の寝起きが辛い⇒対処法はこれ!
【膝の痛み】ジャンプと着地がつらい⇒意外すぎる2つの原因とは 
【膝の痛み】ランニングで外側が痛い!誰も教えてくれない対処法 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする