膝痛対策に必須!?有酸素運動の鎮痛効果のすべて(理学療法士的視点)

膝痛ケアのために、よく有酸素運動が勧められることがあります。

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その理由として・・・

  • 有酸素運動をすれば筋肉、体力の維持向上が期待できる
  • 減量効果があることから、膝への負担軽減が期待できる

といったことが良く取り上げられますが、実際はそれほど単純ではありません

有酸素運動と膝の痛みには、もっと深い関係があるんです。

ここでは、有酸素運動の膝痛への有効性について、とことん掘り下げてみました。

有酸素運動の膝痛への有効性:一般的に言われていること

まずは一般的に言われている、有酸素運動の膝痛に期待できる効果から確認していきましょう。

減量効果が期待できる

膝への負担を減らすために、減量は大切なポイントです。

有酸素運動には確かにダイエット効果が期待できますが、膝に痛みを抱えている方にとっては、少しハードルが高いといえます。

というのも・・・

体重50kgの人が1時間ウォーキングをした場合、消費カロリーはたったの160kcal。
ごはん中茶碗一杯(140g)が235kcalなので、1時間頑張って歩いても、消費できるカロリーは知れているんです。

膝が痛みを抱えている方は、ただでさえ運動がつらいはず。
ダイエット・減量目的で有酸素運動を取り入れた場合、成果がなかなか表れず、結局運動を中止してしまうという方も少なくありません。

膝痛の方にとっては、あまり効果が期待できないかもしれません。

もちろん、運動は有効なダイエット手段です。ただ、膝が痛む方にとってはちょっとハードルが高いということです。

【関連記事】

膝の痛み軽減へ:減量・ダイエット成功の為に必要な知識のすべて

筋力の維持・向上になる

こちらは、ばっちり効果が期待できます。

有酸素運動をすることで、筋力の維持向上につながります。

痛みがある方はどうしても運動不足になり、膝を守る筋肉が衰えてしまうので、有酸素運動は有効な手段といえます。

心肺機能が向上し、老化を防ぐことができる

筋力同様、運動不足になると体力が低下してしまいます。

運動不足 → 体力低下 → さらに動かなくなり運動不足に → ますます体力が低下・・・

という悪循環に陥ってしまのを、運動により防ぐことができます。

他にも、運動不足は関節が固くなったり、骨への刺激がなくなることで骨粗しょう症などにもつながるといわれているので、有酸素運動はそれらの予防手段として有効とされています。


一般的に言われている、膝痛に対する有酸素運動の効果は、せいぜいこの辺りの事ではないでしょうか?

しかし有酸素運動の膝痛に期待できる効果は、実はこれだけではないんです。

↓↓↓

まだまだある!有酸素運動の膝痛に期待できる効果

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あまり知られていませんが、有酸素運動には他にも様々な効果が期待できます。

冷えや天候による膝の痛みにも効果が期待できる

筋肉には発熱作用があるため、筋肉量が増えることで、冷えによる膝の痛みに対して効果が期待できます。

また・・・

  • 体が冷えると筋肉がこわばり、鈍い痛みを感じるようになります。
  • 気圧の変化により交感神経が興奮した場合も、血管が収縮し筋肉がこわばります。

有酸素運動は全身の血行を促す作用があるため、これら血行不良による痛みの軽減に貢献してくれます

関節の代謝をアップ!軟骨細胞に栄養を与える

関節の中には”関節液(かんせつえき)”という液体があり、潤滑剤・軟骨の栄養剤として働いてくれています。

この関節液は運動により分泌される仕組みになっているので、運動をするほど関節はスムーズに動くようになり、軟骨にも栄養が行きわたるようになります。

反対に運動しなければ軟骨が栄養不足に・・・やがて変形へとつながっていくかもしれません。

体に備わっている、2つの鎮痛システムを作動させる

体には痛みを感じにくくさせる鎮痛システムが備わっていて、痛みを必要以上に感じないようにしてくれています。

有酸素運動は、内因性オピオイドという物質の分泌を促し、体に備わっている鎮痛システムの1つを稼働させます。

また痛みからうつ傾向にある方は、セロトニンという物質の分泌が減少しているといわれていて、セロトニンは脳内の鎮痛システムに関わってます。

規則的な動きを繰り返す運動がセロトニンの分泌を促す”という事がわかっていているので、歩行や自転車等の運動が有効となります。

有酸素運動は、体に備わる2つの鎮痛システムの稼働を促す。

炎症を抑える作用がある

有酸素運動には、炎症を抑える作用もあります。

炎症には活性酸素が関わっているのですが、運動をすることでSOD(スーパーオキサイドジスムターゼ)という物質が誘導され、活性酸素を除去してくれる事がわかっています。

また、適度な運動はNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させることで、炎症を沈める作用があるといわれています。


このように筋力強化や減量以外にも、直接的に膝の痛みを軽減させる効果が、有酸素運動には期待できるんです。

中には、ご存知ないものもあったのではないでしょうか?

次は、膝痛にお勧めの有酸素運動を紹介させていただきます。

膝痛にお勧めの有酸素運動を紹介

お勧めの有酸素運動について、まとめていきます。

ウォーキング・水中ウォーキング

一番手軽に行えるのは、ウォーキングです。

膝の痛みがそれほど強くなく、有酸素運動の目安といわれる20分以上歩くことができる方には、是非取り組んでほしい運動です。

もしも身近に膝に負担がかからない歩き方を指導してくれる方がいらっしゃれば、その歩き方で実践してみるのも1つです。

歩き方のクセを修正するには2000歩以上かかる”といわれているので、姿勢などに気を付けながら最低2000歩以上歩くことを、ウォーキングの目安にしてみても良いかもしれませんね。

膝の痛みが強い場合は、水中ウォーキングもお勧めです。
水が体重を軽くしてくれるため、膝への負担が少なくなります。

水泳経験がある方は、実際に泳ぐのもアリです。

自転車・エアロバイク

自転車やエアロバイクも、歩行より膝への負担が少ないのでお勧めです。

エアロバイクの効果や、効率的な漕ぎ方についてはこちらでまとめています。

膝の痛みとエアロバイク:効率の良い漕ぎ方をご存知ですか?

ノルディックウォーキング(膝痛の方におすすめ)

私個人的には、両手にステッキを持って歩くノルディックウォーキングがお勧めです。

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ステッキを両手に持っているので左右への重心移動がスムーズになり、自然と足幅も骨盤幅に広がるため、膝にまっすぐ体重がかかるような歩き方になります

※何も意識しなくても、自然と膝に負担がかかりにくい歩き方になる。

  • 普通に歩くよりも膝への負担が少ない
  • 長距離の歩行が可能
  • 膝への負担が少ない歩き方が、自然と身につく

このようなメリットがあるため、興味がある方はぜひ検討してみてください。


「膝の痛み予防にはどんな有酸素運動がお勧めですか?」という疑問の声をよく聞きます。

私的にはノルディックウォーキングを勧めさせていただいていますが、一番大事なのは”本人が苦痛”と思わないことです。

ストレスにより痛みが増強してしまうこともわかっているため、なるべく気負わず続けられるものを選ぶようにしましょう

最後に、有酸素運動を効果的に行うために知っておいてほしいことをまとめておきます。

※ストレスと膝の痛みの関係については、こちらで詳細にまとめています。

【膝の痛みとストレス】どう向き合う?⇒実例を紹介します

有酸素運動を効果的に行うための知識

有酸素運動の効率を高めるための知識をまとめておきます。

できれば週3回以上の頻度で運動を実施する

体は環境に合わせて変化していきます。
適度な運動習慣を作り、動ける体質へと変えていくことが大切です。

ウォーミングアップ・クールダウンをしっかり行う

ウォーミングアップをすることで、怪我を防ぐことができます。
クールダウンをすることで、回復を早めることができます。

運動前後のストレッチなどは、しっかり行いましょう。

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ふくらはぎや、ももの裏をしっかりと伸ばしておきましょう。

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曲げられる範囲でOKなので、ももの筋肉も伸ばしておきましょう。

ストレッチは、それぞれ30秒を目安に心地よい程度に伸ばしてみてください。

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足首を十分動くようにしてから、運動を開始しましょう。

運動後は、もう一度柔軟性を促しておきましょう。

なるべく”その日の疲れはその日のうちにケアする”ことを意識して、疲労を蓄積しないようにすることが大切です。

運動する際は道具への配慮も

ウォーキングを有酸素運動として実施する場合、クッション性のある靴の方が膝への負担は少なくなります。

ゆるすぎず小さすぎず、足にフィットする靴を選ぶようにしましょう。

また、サポーターが手元にある場合は、運動の際、積極的に装着しましょう。

サポーターが筋力の代わりにもなるので、ずっと付けていると筋力低下が起きる可能性もあります。
基本的には、運動時のみ装着するようにしましょう。

※何もしなくても痛む場合は、安静に時も付けておいてください。

有酸素運動のレベルは”ややきつい”くらいが目安

自分で運動する際は、心拍数をいちいち計測することも少ないと思います。
そこで、”自覚的運動強度の目安”というものがあるので、自分で「ややきつい」と思える程度のレベルを目安にすると良いでしょう。

2018y06m14d 192829459 - 膝痛対策に必須!?有酸素運動の鎮痛効果のすべて(理学療法士的視点)引用元:日本健康運動研究会

  • 楽ではないけどきつ辛くもない
  • 何とか友人と話しながら運動ができる

くらいを目標に頑張れそうな方は、取り組んでみてください。

まとめ:膝痛と有酸素運動について

膝に痛みを抱えている場合、

  • 何か運動をした方が良いのはわかるけど、痛くてその気になれない
  • そもそも何をすればいいのかわからない

そんな方が、ほとんどかと思います。

しかし、今億劫になっていたとしても、こちらで紹介させていただいたほどの効果が期待できるのであれば「ちょっとやってみようかな?」なんて思いませんか?

本当に膝が炎症していて、何をしても痛い場合を除いて、楽な時間があったり、この動きは大丈夫といったことがあるのであれば、是非有酸素運動を取り入れてみてください。

方法はなんでもOKす。
苦痛を感じることなく続けられる運動を選んでみて下さい。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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