膝痛と内転筋の意外な関係:知らないと筋トレが無駄になる!?

膝痛には内転筋を鍛えると良い』とよく言われますが、いったいなぜ良いのでしょうか?

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理由もわからず漠然と筋トレを進めても、あまりいい結果は得られないでしょう。

ここでは内転筋と膝の安定性の関係を再確認しながら、以下の3点についてまとめてみました。

  • 内転筋の筋力が低下してしまう要因
  • 内転筋がこわばってしまう要因
  • 具体的な筋力トレーニングの方法
膝を守るために、内転筋の本当の役割を知っておきましょう。

膝痛と内転筋の関係について

まずは、膝の痛みと内転筋の関係を確認しておきましょう。

内転筋は足の上に骨盤が来るようにコントロールしてくれている

内転筋は骨盤と大腿骨についていて、文字通り足を閉じる時に働く筋肉です。しかし、地面に足が付いているときは、足を動かすことができないので閉じることができません。
そうなると、足に対して骨盤が動くことになります。

※わかりやすいように図にしてみます↓↓↓

足が地面についていない時は、足を閉じる作用として内転筋が働きます。

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そして足が地面に付いている場合は足を閉じることができないので、足に対して骨盤が動くようになり、骨盤を足の上に移動させるようなに働きます。

※下図は、向かって左の内転筋が働いた場合を示しています。左の内転筋が働くと、左足の上に体重が来るようになります。

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つまり内転筋は、足をついて行う動作全般において、
足の上に常に骨盤を位置させておくように働く”ということになります。

その結果、足がまっずぐ体重を支えられるようになり、膝への負担軽減につながるという仕組みになっているんです。

わかりにくい例えかもしれませんが・・・
・綱引きは自分の方に相手を引き寄せようとしますよね?
・反対に懸垂(けんすい)は自分が鉄棒の方に近づいていきますよね?
骨盤と足、動いているのがどちらにせよ、”使っている筋肉は同じ”ということです。

歩行時に膝がぶれないようにコントロールしてくれている

歩行の中で一番膝の衝撃が加わるのは、かかとをつく着地の時になります。

この着地の際、膝には外側(O脚方向)に曲がろうとする力が加わるのですが、内転筋が大腿骨(だいたいこつ)をギュッと内側に引っ張ることで、膝をまっすぐに保ってくれているんです

また大殿筋(だいでんきん)という股関節の大きな筋肉と協力して大腿骨(だいたいこつ)を後方に引くことで、膝に適度が圧縮が加わり安定性向上にも貢献してくれています。

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内転筋は”重心のコントロール・膝の安定”、この2つの面で膝への負担を軽減してくれているということになります。

次は、内転筋の役割が果たせなくなるのはどんな時かを見ていきましょう。

内転筋の”膝を守る役割”が果たせなくなるのはこんな時…。

内転筋はこんな時に役割を果たせなくなります。

姿勢が崩れると内転筋の筋力低下が起きてしまう

姿勢と内転筋には深いかかわりがあり、具体的には・・・

  • 背中が丸くなると内転筋の力が弱まる
  • 背中が伸びると内転筋の力を発揮しやすくなる

というものです。

実際の変化がわかると思うので、よければ試してみてください。

  1. 椅子に座って背もたれにもたれかかった状態で、足を閉じてみる
  2. 次は背もたれから背中を離して、背中を伸ばした状態で足を閉じてみる

Q.1と2でどちらの方が力が入りやすかったでしょうか

ほとんどの方が、2の場合だと思います。

例えば、年齢と共に背中が丸くなってきていたり、デスクワークなどで不良姿勢が続いていた場合は、内転筋が衰えていることが多いです。

姿勢が良すぎると内転筋がこわばってしまう

丸くなった姿勢だと内転筋が弱まってしまうのであれば、”ずっと伸びていれば良いの?”と思うかもしれませんが、それもちょっと違います。

背骨をずっと伸ばしていると、今度は内転筋が固くなってきてしまいます。

力を抜くことができないので、緊張状態が抜けなくなってしまう。

女性に多いのですが、良い姿勢を心掛けるあまり、反り腰になって腰を丸くできない方がいらっしゃいます。そしてそんな方は、内転筋もカチカチ・・・。あぐらや開脚方向に足を動かすことが、とても苦手なことが多いです。

大切なのは・・・

背中が柔軟であること

リラックスするときは丸くなり筋肉を休め、いざ動くときに背骨を伸ばして内転筋もしっかり働かすことができること

この2つです。

なんでもメリハリが大切ということですね。

次は、そんな内転筋を効率よく鍛えるためには?という点について、まとめていきます。

膝を守る内転筋の効率的な鍛え方について

やみくもに筋肉を鍛えても、効率的とは言えません。
まずは、内転筋が働きやすい身体づくりをしていきましょう。

骨盤・背骨を自由に動かせるようになること

先に書かせていただいたように、内転筋は背骨の動きと関係しています。

猫背姿勢の方は内転筋が衰えていますし、姿勢に気を配りすぎている方は内転筋がカチカチになっています。

なので背中が丸い方はしっかり伸ばせるように、背中が伸びきっている方は、しっかり丸められるようにすることが大切です。

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引用元:クラインフォーゲルバッハのリハビリテーション機能的運動療法:基礎編P.14 シュプリンガー・ジャパン株式会社 著者:S.クラインフォーゲルバッハ/B.ズッペー

単純な運動にはなりますが、このように背骨を端から端まで大きく動かしていきましょう。

この際、背骨だけを動かすのではなく、骨盤もしっかり起こしたり、後ろに倒したりしするのを意識してみてください。

なるべく全身で動かすようにすると効果的です。

動きに慣れるまで続けてみてください。体幹と足のつながりをなんとなく感じられると思います。

内転筋自体の筋力トレーニング

背骨がしっかり動かせるようになったら、実際に内転筋を鍛えていきましょう。

内転筋には股関節を閉じる作用と、足を後ろに蹴る作用の2つがあります。

なので、”足を閉じながら後ろに蹴る”という運動が効果的です。

①まずはあおむけに寝ます

②膝を深く曲げ、なるべくかかととお尻の距離を近づけます

③この姿勢で膝の間にクッションや丸めたタオルを挟み、少し潰すように力を入れます

④足を閉じる力を入れながら、お尻を持ち上げていきます

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⑤5秒ほどこらえて下ろす運動を10回繰り返しましょう

膝に違和感や痛みがあった方は、無理のない範囲で少し歩いでみてください。

もし少しでも変化があれば、『内転筋の筋力低下による膝の痛み』の可能性が考えられます。

補足:内転筋の緊張による膝の痛みもある

内転筋の緊張が高まることで、内転筋結節(ないてんきんけっせつ)と言われる筋肉の付着部に痛みを感じることがあります(内もも)。

※上のの部分です。

IMG 4309 - 膝痛と内転筋の意外な関係:知らないと筋トレが無駄になる!?引用元:ネッター解剖学アトラス(原著第3版)P472 株式会社南光堂 著者:Frank H.Netter

このケースは、やはり背骨がカチカチなって腰の筋肉が張っている場合に多く、内転筋の緊張がかなり高くなっています。

対処法は基本的には同じで、まずは背骨の柔軟性を促すようにしましょう。

そのあとは筋肉に無理がかからないように、優しくストレッチをして内転筋を緩めていくようにします。

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こらえるほど伸ばさないでください。気持ちよく伸びる程度でOKです。

内転筋とは直接関係ありませんが、膝が内側に入るX脚の方の場合、鵞足炎(がそくえん)といって、お皿の斜め下の内側に痛みが出ることもあります。

※上の図、下の部分です。

鵞足(がそく)は筋肉が付いている骨の場所のことを言います。
そこにつく縫工筋(ほうこうきん)・薄筋(はっきん)・半腱様筋(はんけんようきん)の緊張が高くなると、炎症を起こすことがあります。

まとめ:膝の痛みと内転筋の関係性

『○○筋を鍛えなさい』とはよく言われますが、なぜ鍛える必要があるのかが、少し曖昧になっているように感じます。

運動の際、筋肉はただ固くなっているわけではなく、タイミングや力加減などを調節しながら、効率の良い動きや怪我をしないために働いてくれています。

  • なぜその筋肉を鍛える必要があるのか
  • その筋肉を鍛えた結果どうなるのか

その辺りまで考えて筋力トレーニングができると、きっと結果も変わってくるはずですよ(^^)

気になったところだけでも、よければ取り入れてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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